不動産を直接売り買いする人たちの掲示板「家いちば」

保健室だより

「負動産」のすすめ

「不動産は資産であり負債でもある」と言われて、ピンと来る人もいれば、何を言っているんだ?と思う方もいらっしゃるかもしれません。会計上も不動産は「資産」に分類されますし、通常売ればお金になります。しかし、家いちばにご相談いただくお客様の中には「タダでもいいから手放したい」「むしろ受け取ってくれた人にお金をあげたい」という方もいらっしゃいます。なぜそのようなことになるのでしょうか。 答えはシンプルで「不動産を所有しているメリットよりもコストの方が高いから」です。「コスト」は「リスク」と読み替えてもいいかもしれません。土地を使用していてもいなくても固定資産税はかかりますし、所有している不動産が崩落して人が亡くなれば遺族補償が発生する可能性があります。そのコストやリスクから逃れるために、「タダでもいいから」になるわけです。 そういう不動産は「親が購入した物件を相続した」とい特徴が多いです。相続資産はAll or Nothingで、「お金になるものだけ相続する」という事はできません。なので、相続時に「金融資産は相続するが、不動産は放棄する」ということができませんでした。 しかし、日本国内での人口減少や空き家・過疎エリアの増加で「不動産の処分に困る方々の声」を無視できない状況になり、その状態を軽減するために「相続土地国庫帰属制度」という仕組みが始まりました。ざっくりと説明すると、「条件を満たした土地で、負担金を支払うならば不要な不動産を国庫に寄付することができる」というものです。条件は細かいので割愛しますが、要は「管理コストが高い不動産は国と言えども引き受けられない」ということです。 この制度を利用するための審査手数料は一律で14,000円、負担金は一番安くて208,000円なので、最低でも222,000円かかります。つまり22万円以上を支払って、不動産を寄付する仕組みなので、家いちばで0円で売却するほうが安いです。(売買金額が0円ならばシステム基本料として88,000円を支払うだけです。)それだけでなく、新たに購入された方が新たに不動産を利用するので、単純に寄付するよりも気持ちが良いのではないでしょうか。 「相続土地国庫帰属制度」の利用は最後の切り札として取っておいて、家いちばへの掲載を検討されても良いと思います。 (家いちばコンサルタント 手塚龍行)

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