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診察日誌

昭和の一軒家をスケルトンリノベーション

住み替えか、建て替えかで悩む 世田谷の長閑な住宅街にある一軒家(木造中古住宅)で、築年数相応に古めかしくなっていて、比較的きれいにお使いになられていましたが、「冬にとても寒い」や「地震の時に心配」などの悩みをお持ちでした。それで、基本的にはこの家を売って、新しくマンションなどに住み替えもご検討でしたが、馴染みの地元から離れたくない気持ちなどもあり、迷っていました。建て替えも選択肢にありました。 資金的メリットで比較検討 それで、①住み替え、②建て替え、③改修の3パターンで、簡単な投資シミュレーションを行ったところ、比較的早い段階で、③の改修案に絞り込まれました。「改修がこんなに資金的にメリットがあるとは思わなかった」というご感想でした。そもそも、この古い家がリノベーションで良くなるのか想像もつかないというお声もあったため、いろんな事例をお見せしながらイメージをつかんでもらいました。そうすると、ある段階から、水を得た魚のようにご自身でイメージをどんどん膨らませるようになり、そこからは早かったです。耐震も断熱も最新のスペックを目指すという方向性も決まりました。 耐震助成制度を活用したが 耐震工事については、世田谷区の助成制度が使えたため、その申請スケジュールに合わせながら、全体のプロジェクトスケジュールをまとめました。それに柔軟に対応できるように、専門の構造設計者に入っていただきました。しかし、この申請や工事中の審査に必要な書類を用意することが予想以上に煩雑だったのは、想定外で、それによりスケジュールが遅延する場面もありました。その分、設計料が増えてしまい、せっかく助成金で得られる資金が目減りしてしまったことは惜しかったです。行政には手続きをもっと簡便にすることを望みたいです。これによって建物の耐震化の足かせになってしまっては、制度として本末転倒でしょう。 昭和のたたずまいでもハイスペック仕様にこだわる 設備や内装は、オーナーさんが妥協をせずに選定され、工事費は当初よりも上振れましたが、それでも、新築でこれと同様のスペックで建てれば、何百万も余計にかかったと思われ、なおかつ、天井は吹抜けにして昔の梁を見えるようにして、また外観は昔のままの昭和のたたずまいも感じられ、新しく建てる住宅では得られない雰囲気に喜んでおられました。建物を長く大事に使うことで得られるご褒美だったと言えます。 (家いちばコンサルタント 藤木哲也) 【物件概要】 場所:東京都世田谷区 土地:125.95㎡ 建物:101.84㎡(築45年) 構造:木造2階建て 用途:個人住宅 設計:ムービング・アーキ 構造設計:川村構造設計室 施工:ファーストコンストラクション 総費用:2000万円(リノベーション工事費)他

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    【施工前】 丁寧にお住まいでしたが耐震・断熱性に不安がありました

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    【施工中】 床や間仕切り壁を解体し間取を刷新しています

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    【施工中】 新たに筋交いを設置するなど耐震補強を施しました

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    【施工中】 ホールダウン金物や筋交い補強金物を設置している様子です

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    【施工中】 屋根裏にも断熱材を設置し断熱性能もアップしました

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    【施工後】 間仕切り壁を取り払い、耐震補強を施すことで広々としたLDKを実現しました

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    【施工後】 立派な梁が見えるよう2Fの天井は撤去しました

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    【施工後】 外観は昔のたたずまいをあえて残しています

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