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悩み相談コーナー

M.Sさん
30代 男性
築古マンションを買うのが少し心配です
中古
区分所有
リノベ
2024年02月06日
6
1
Q)
テレビで観て、自分も築古のマンションを買って、かっこよくリノベーションしようと物件を探しているところですが、いくつか実際に見ているうちに、いろいろ心配になってきています。なかなかイメージも湧きません。どうすればいいでしょうか。
A)
新築でも中古でも、不動産には多少の当たり外れがつきもので、それを見極めるのが大事です。ただ、新築の場合は、それを供給(販売)しているデベロッパーやハウスメーカーなどの会社(基本的には大きな会社が多い)のブランド力、信用力で判断できる面があります。実際に、何か欠陥等があった場合に、たいてい対応してくれます。しかし、中古の場合はそうはいきません。中古物件の売主が基本的には個人の一般の人なので、そのような保証ができる責任能力がありません。その代わり、その分だけ価格が安くなっているものです。新築マンションのでデベロッパーの粗利益が2割程度と言われています。5000万のマンションなら、1000万くらいになります。それを「安心料」と考えて、安いと思うか高いと思うかは、人それぞれでしょう。 さて、その前提で中古、さらには「築古」をご検討とのことで、特にマンションの場合において、いくつか注意点を説明します。まずは、お金の面での考え方となります。基本的に、中古であれば、新築に比べて、同じ立地で同じ面積でも、かなり割安になっているはずです。たいてい、設備や内装が古くなっていて、修繕や更新が必要な状態です。少なくとも、その費用分くらいは新築よりも安くなっています。あとはどれくらい素材などにこだわってリノベーションをするかで、購入価格と工事費の合計が、最終的に新築の価格を越えるくらいの金額になることもあるでしょう。それは自由です。内装を全部取り払っての「スケルトンリノベーション」をやるとすれば、中古の内装の程度など無視してよいです。 問題は、住戸内部の「変えられる」部分以外の「変えられない」部分です。例えば、玄関ドアや窓サッシなどは勝手に交換はできません。そのマンションの「共有部分」だからです。当然に、住戸を囲っているコンクリートの壁や床もそのまま使うしかありません。特に天井高さ(スケルトンにするなら、上下のコンクリート面の距離)は絶対的なものです。「天井の高い空間」を求めるなら、そういうマンションを選ぶしかありません。窓サッシなどのガラス面も、リノベーション後の空間イメージに大きく影響します。そこは要チェックです。古いマンションの難点として、窓サッシの性能が低かったり、コンクリートの床壁の厚みが足りなかったり(遮音性に影響します)があります。これらは、見た目だけでは判断できず、マンションの設計図などを確認する必要があります。古いマンションの中には、その設計図すら保管されていないこともあります。 それと見落としてはいけないのが、マンション全体の「管理状況」です。マンションを買うなら、必ず毎月、「管理費」と「修繕積立金」を払うことになります。決して少なくない金額です。そのお金できちんと管理されているのか、もし現状でされていない感じがあれば、注意が必要です。清掃が行き届いているか、切れたままの電球などないか、不法駐輪などがそのままになっていないか、共用廊下を物置のように使ってる人がいないか、などです。エントランスにある「掲示板」を見てみると、管理会社がしっかりしているかどうか、その雰囲気を見ることができます。修繕積立金については、それを徴収すらしていないマンションが、築古には多いので、それも注意です。管理費会計がきちんとなされていない可能性が高いです。このように、古い建物で管理状況が著しく劣悪なマンションをしばし見受けます。一方で、しっかり管理されている「ビンテージマンション」も都心には少なくありません。最終的には、管理の良し悪しで、中古マンションの購入可否が決まると言っても過言ではありません。
家いちばコンサルタント 藤木 哲也
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